MONOLOGUE
2020年6月5日
すべての経験が、「キャリア」になる。
放っておいても、手が動いてしまうこと
経験のないことをやろうとするとき。
世間一般的に「大変」と言われていることをやろうとするとき。
自信だってないし、
うまくいかないかもしれない。
だから、だれしも「安パイ」な選択が頭をちらついたりするのだけれど、それが「本当にやりたいこと」だと、放っておいても手が動いてしまっている。
蓋をしても、しきれない。
私はそれが人間の強さであり、愛おしさだと思っていて、今振り返ってみると私自身も、そうやって少しずつ自分の道をつくってきたように思います。
もちろん、それは現在進行形ですが。
キャリアの大きな分かれ道
第二子出産後の育児休暇から復帰するときのこと。例にたがわず、私もキャリア形成に非常に悩みました。
前回コラムの「転機ともいえる、仕事の出会い」にも書きましたが、私が出産前に担当していた仕事は、やりがいもある分、非常にハードな仕事。
得意先のカウンターパートに立つ、プロデューサーという職種で、チームを引っ張っていくことが求められるので、「定時退社」では仕事にならない、と思い込んでいました。
二児の母となり、現場に復帰する先輩は片手で数える程度しかいませんでしたし、仕事人としても、母親としても中途半端な自分になるのが許せなくて、
チャレンジする前からどちらもそこそこに「バランスをとる方法」を求めていたように思います。
「やっぱり、プロデューサーとして復帰するのは辞めよう。」
気持ちを固め、希望を人事に伝え、調整が進んでいたある日のこと。当時の上長とランチをすることになったんです。
猪突猛進に、ブランドと得意先のためだけを考えて邁進するスタイルの上長で、仕事のスキル、ノウハウはもちろん、心意気も含めて、多くを学ばせていただいた方との再会でした。
これまで育ててくださったお礼を伝えつつ、異動の意思を伝えよう。
そう思っていたのですが…
諦めきれなかった、ものづくりへの道
私は結果的に、その意思を伝えることさえできませんでした。
それは、上長との対話の中で、結果的に広告の仕事に、たまらなくワクワクしている自分に気がついてしまったから。
使い古した手帳を取り出し、進行中の案件を箇条書きにしながら、愛情たっぷりにその進捗を話す彼の姿を見ているうちに、私のプロデューサー魂にも火が付いてしまった感覚があって、
◎復帰するなら、やっぱり!自分の好きな仕事がしたい。
◎細々でもいい。ものづくりの現場から離れたくない。
という気持ちが湧き上がってしまった。
よく考えたら、どんな仕事・職種であろうと、子育てという新しいミッションが加わるってことは物理的に大変だよな、と冷静になった自分もいました。
どっちみち大変なら、私は「やりたい!」道で、その「大変さ」を味わいたい。
もしかしたら、このときになってやっと、働きながら子育てをすることに覚悟が決まったのかもしれません。
そして、そんなふうに腹が決まると、「そのためにどうすればいいのか」を考えられるようになるから人間って本当に不思議なもの。
まずは家族に、正面からその気持ちを相談。応援してもらえる環境を整えた上で、改めて会社にも意思を伝え直しました。
そして、同時に、じわじわと復帰後の姿を思い描いていきました。
そうだ、そもそも「今までと同じように」という概念を手放そう。そして、かつての私が持っていなかったけれど、今の私が持っているものを活かして、自分の新たな個性を作っていくんだ、と。
人生経験の活かし方
そして、私は改めて「今の」自分にできること、を改めて考えました。
出てきた答えはすごくシンプル。「経験を、仕事に活かす。」これしかない、と思いました。
自分の人生(出産~育児休暇~キャリアに悩む~復帰する~子育てとの狭間で奮闘中、という経験)をまるごとキャリアと考えて、
◎企画に「ならでは」の視点を持ち込む。
◎同じような環境で悩む後輩たちの支援を行う。
そんなことにチャレンジしてみよう、と。
子育てしながら現場で働く女性は少なかったですし、もはや人体実験みたいなもので、やってみたらそこに何らかの道が見いだせる気がしました。
こうして私は、プロデューサーとしての仕事に復帰。その傍らで、社内ベンチャー制度を活用して、コーチングを学びはじめました。キャリア支援のための具体的な方法を学びたいと考えたのです。
お恥ずかしながら、私が研修以外の学びの場に足を運ぶのは、ほぼ10年ぶり。
基礎から実践までの半年間のトレーニングプログラムで、もちろんスキル的なことも学びましたが、私にとってはそれ以上に「社外の方と交流する機会」を持ったことが大きな糧となりました。
業界も、業種も、立場も異なる方々と出会い、本気で意見を交わす。
それがあまりにも新鮮で、刺激的で。
意見を交わすと、否が応でも自分に向き合うことになりますから笑
私はそこで、自分の視野が開けていくのを肌で感じました。
そして、「組織の中でどうお役に立つか」だけではなく、その先にある「社会にどう貢献するのか」みたいなところまで俯瞰して、これからを考えるようになっていきました。
個での活動へ
やりたいことは、あらがわずにやってみたほうがいい、と私は思います。
広告の現場に復帰したことも、
新たな方向性の模索したことも、
悩みながらでしたが、振り返ってみるとどれも「やりたい!」に素直に動いてきた結果であり、だからこそ、当時の私には想像できないような今があるようにも思います。
次回はいよいよ、「個での活動」を始めたころのことについて綴ります。
最初は、今のサービスとは全く違う形、でした笑
私の物語 ~Life & Career~
第1話:
転機ともいえる、仕事との出会い
第2話:◀Now
すべての経験が、「キャリア」になる
第3話:◀Next
個での活動は、こうしてはじまった
第4話:
「はた」を「らく」にする!?
第5話:
パラレルキャリアを軌道に乗せるには?
第6話:
ご報告。その想いを未来へ。
第7話:
法人化とHP公開のご報告
第6話:
ご報告。その想いを未来へ。
第7話:
法人化とHP公開のご報告