MONOLOGUE
2020年8月2日
「はた」を「らく」にする!?
「はた」を「らく」にする!?
先日尊敬する方から、「働く」って、「傍(はた)」を「楽(らく)」にする、が語源なのだ、とお聞きして、めちゃくちゃハラオチする、ということがあったんです。
傍、つまり近くにいる人の負担を軽くしてあげること。それが働く。
なるほど!!そうですよね!!と私が深くうなずいたのは、まさにVISION BRIDGEの活動もそうやってサービスを組み立てていったから。
今でこそ、初めましての方からもお問い合わせをいただくようになりましたが、はじまりは、ごく身近な方からのちよっとしたご相談でした。
そこに夢中になって本気で向き合っていく中で、少しずつ、自分のやりたいこと・できることが落とし込まれていった、
まさにそんな感覚があるのです。
前回の記事、個での活動はこうしてはじまった では、私が会社という組織にとらわれずに活動を始めた頃のことを書きましたが、今回はそこに続くお話、
当初は「コーチングをベースとしたキャリアコンサルティング」をご提供していた私が、
いつしか「個人事業主・中小企業様のプロジェクト支援サービス」へと進化していった、
その過程を言葉にしてみたいと思います。
このイベントを、どう落とし込む?
コーチングスクールを卒業し、本業の広告プロデューサーの仕事の傍らで、社内外で女性のキャリア支援を始めた私。
徐々にお客様にも恵まれ、学んだことを実践する日々に充実してはいたものの、当時悩んでいたのは、「時間のやりくり」と「本業をおろそかにしないことへのコミット」でした。
どちらも私にとって大切な仕事で、できることを広げていきたいと思っているけれど、これを両方持つって、結局どちらも中途半端になるのではないか。それが当時の悩みでした。
広告と、コーチング。二つの仕事を、天秤にかけていたんです。
そんなモヤモヤとした状態から抜け出せずにいたあるとき、卒業したコーチングスクールの10周年を記念するイベントを手伝わないか、とお声掛けいただいたのです。
300名規模のお客様を集めて、大きなホールで実施するイベントの企画と運営に携わる。
仕事柄、企画も運営もイメージは湧きますし、お祭りごとってそもそも広告人の血が騒ぐ。
そしてなにより新たな価値観に出会うきっかけとなったコーチングを伝えるためのイベントですから、是非とも協力させていただきたい、と思いました。
企画にあたって、私は早速、
◎どんなメッセージを残せば、本質的な魅力が伝わるのか。
◎どこにスポットライトを当てて、どう表現すればいいのか。
スクールの主宰者や卒業生にインタビューを重ね、コンセプトへと落とし込み、イベントの構成・内容を詰めていきました。
このプロセスは、まさに私が常日頃広告の仕事でやっていることなのですが、進めていくなかで私はじわじわと気づいていったことがあるんです。
「あれ?もしかしたら、コーチングと広告って、実はにているのかも?」と。
クライアントのありたい姿を言葉にし、現実とのギャップを確認して、アクションに伴走していくコーチング。
提供したい商品・サービスの根幹にある魅力を見出し、課題を明確にした上で、お客様に届ける方法を実践していく広告。
「どまんなかを引き出し、表現し、やりたいことを後押しする」という点において、私は両者に共通しているものを感じたんです。
そうか、私が面白さを感じているところは同じなんだ!だとしたら、そこを無理やり分けて考え、天秤にかけること自体、不自然なのでは?と思うようになりました。
「やりたいことをカタチにしたい人」に対して、広告とコーチングで身に着けた経験値から、大磯爵歌として、できることを惜しみなくご提供していけばいい。
そのスタンスは、会社の仕事も、個人での活動も、共通でいいのかもしれないな。
これは、パラレルキャリアの在り方に悩んでいた私が、ブレイクスルーした瞬間でした。
以降、私は、広告の仕事の中でも、得意先との対話、チームメンバーとの関わり方、プロジェクトの進行にコーチングのエッセンスを取り入れてみたり、
かたや、キャリアデザインの講座の中に、広告における「表現」というエッセンスを入れてみたり、自分なりにチャレンジを繰り返すようになりました。
このコラムでも何度も書いているように、個人の活動を通じての情報、ご縁、学んだことを本業に循環できるようになっていったのもこのころから。
いつしかそれが私の個性だ、と言えるようになり、すると不思議なことに、会社での仕事の領域も少しずつ広がっていったのです。
HPを作りたい!力を貸して!
自分が「できること」が少しずつ腑に落ちてきた私に、親しくさせていただいていた個人事業主様があるときこんなふうに声をかけてくださったんです。
「法人化して、事業を本格稼働させていきたいの。大事にしていることや事業内容が伝わるHPを作りたいし、改めてやりたいことを言語化したい。手伝ってもらえない?」
これはまさに、私が広告・コーチングで取り組んできたことで、個人の活動でも取り組んでみたいと思っていたサービス。
なので、「是非是非!」と二つ返事でお引き受けしました。
まずは、事業主様とガッチリ向き合い、やりたいことをとことんインタビュー。
どんな人に、何を提供し、どんな変化をお約束していくのか。
作りたい未来はどんな景色で、それはどんな経験からそう思うようになったのか。
そんなことを、とにかく時間をかけて聴きまくりました。そして、それを、ターゲットに響く言葉に置き換えて、コンセプトを形作っていく。
企画書やデザインに落とし込んでご提案するたびに、
「そう!それそれ!」
とお客様の笑顔がはじける瞬間が、その時はとにもかくにもうれしくて。
HP制作期間中にお客様の行動が加速し、発信する言葉も骨太になっていく、そんな姿を傍で拝見できることも、会社の仕事とはまた違った大きな喜びがありました。
いい仕事は、次の仕事を運んでくれる!
ひとつ仕事が動き出すと、不思議なことに、似たようなご相談をパラリパラリといただけるようになっていきました。
動いている案件を、私自身がさまざまな場で言葉にしていたことももちろんあると思いますが、ありがたいことにお越しくださる方の多くはお客様のご紹介。
このロゴ、作りたいんだけど。
名刺とか、お願いできるのかな。
事業理念の言語化、相談できる?
そういったご相談に、全力で、丁寧に向き合いながら、その仕事をSNSやブログ等で紹介する。仕上がりだけでなく、そこに向き合うときの心持ち、企画のポイントなんかも発信する。
それを地道に繰り返していきました。
こんなふうに、VISION BRIDGEは、身近な方からの「くらかさん、これできる?」に応えてながら作ってきた道、サービスなんです。
お客様に育てていただいた、と私はよく書いていますが、それはこんな経歴があるからのこと。本当にすばらしいご縁に恵まれ、感謝しかありません。
もしかしたら、このコラムを読んでいる方の中には、
◎組織の枠に止まらず、何か別のことを始めてみたい。
◎だけどどこから始めたらいいのか分からない。
◎自分に、できることなんてあるのかな。
なんて思われている方もいらっしゃるかもしれません。
そんな時は、身近な人から頼まれることで、自分がワクワクできることにまずは飛びついてみたらいいと思うんです。
そして、やると決めたなら、本気でいいものをやる。
プロとして向き合う。
それを繰り返していくうちに、
求められること。
できること。
やりたいこと。
が見えてくるし、それって案外一致してきたりもしちゃうんだな。というのが私の経験値。
次回は、この活動をVISION BRIDGEと名付けたときのことを書いていきますね。
ここにもまた、大きなドラマがありました。
私の物語 ~Life & Career~
第1話:
転機ともいえる、仕事との出会い
第2話:
すべての経験が、「キャリア」になる
第3話:
個での活動は、こうしてはじまった
第4話:◀Now
「はた」を「らく」にする!?
第5話:◀Next
パラレルキャリアを軌道に乗せるには?
第6話:
ご報告。その想いを未来へ。
第7話:
法人化とHP公開のご報告