COLUMN
2020年2月7日
「聴くチカラ」を育むには?
助走期間の動き方
お客様の案件に柔軟に対応するため、そして将来的にVISION BRIDGEのサービスをさらに骨太なものにするために、ここ最近は水面下で精力的に動いております。
よりスピード感を持って、精度の高いもの、専門性の高いものをご提供するには、案件に合わせてチームを作って対応することが必然になってくる。
今まさに、そのための準備段階に入っているような状況です。
といっても、私の場合、その進め方は非常にアナログで、
この方と、お仕事をご一緒したい。
このメンバーなら、お客様のやりたいことをカタチにできる。
いいものが仕上がるにちがいない。
そんな確信に近い直感を持てる方にピンポイントでアポイントを取り会いにいく!
そして、お客様に代わってプロジェクトの概要とそこにかける想いをお伝えしつつ、お互いに、自分のやっていること、大事にしていること、こだわり、スタンスなんかをお話する。
これがもう、たまらなくワクワクする時間でして。ご縁をつくっていくときの心地よい緊張感と、新たな展開への高揚感に満たされております。
「伝える」ために、必要なチカラ
先日、あるクリエイターさんに初めてお目にかかったときのこと。
お会いしてすぐに、熱量のベクトルが似ていることに気がついてしまって、つい話し込んでしまったのですが、その中でとってもうれしいフィードバックをいただきました。
「聴き上手ですね!」
彼はインタビュー動画の制作や、対談のナビゲーターもなさるので、普段は聴き手に回ることが多いのだそう。そんな自分が今日はたくさん話してしまいました、と笑っておられました。
「聴き上手」
それは、私にとって最高の褒め言葉。仕事に携わる中で意識して磨いてきた力なので、そう感じていただけたことは本当にうれしかったのです。
広告の仕事というと「伝える力」にばかりフォーカスされがちですが、その本質は実は「聴く力」にある。
プロデューサーとしてお客様のカウンターパートに立つとき。チームメンバーと深くかかわり、共に何かを生み出そうとするとき。
そして、お客様のお客様、いわゆる生活者の声に向き合おうとするとき。
全てにおいて「聴く力」が求められる。そして、どれだけ聴けたか、で企画の質、深みがかわってくるのです。
これって、広告だけではなく、ビジネス全般において、言えることだと思う。
「聴く力」を育む3つのポイント
ビジネスにおける「聴く力」を育むには、意識することがいくつかあります。今回、その中でも特に大事だと思うことを3つご紹介いたします。
相手の置かれた状況を、つぶさに想像しようとする。
相手の置かれた状況をつぶさに想像しようとすると、自然といろいろなことを問いかけたくなります。
ヒントを集めるために、質問せざるを得なくなる、というのかな。
該当する案件の背景にある状況や、周りの関係者、ステークホルダーからの反応も含めて、様々な角度から。
時には、話が脱線してしまう、なんてこともありますが、根気よく取り組むことで根本的な課題が浮き彫りになってくる。
想像から始める、課題の共有。これを私はとても大事にしています。
興味を持って、向き合う。
「興味を持つ」ってすごく大事だなと思うのです。
興味を持って話を聴いてくれてるな~、という相手には、つい饒舌になってしまったり、話すうちに自分の想いに気づかされたり。そんな経験、誰しもあるはず。
「話を引き出すテクニック」も世にたくさんあるけれど、結局のところ大事なのはその根っこにある気持ち。
それが、「相手に興味を持つこと」だと思うのです。
話がかみ合わない人もいる。
言葉足らずな人もいる。
でも、せっかくこの一時、関わることになったわけだから、「興味ない」で終わらせるのは絶対にもったいない。
たとえその時、ビジネスが成立しなくとも、その経験が後々思いもしない形で別の仕事、企画に活きてくる、なんてことは往々にしてありますから。
「興味を持つ」と決めてしまうことで、広がる世界もあると思うのです。
答えは、相手の中にある。
ビジネスでお客様と向き合うとき。私は多くの場合、お客様はある程度の解をお持ちになっていることのほうが多いなと思うのです。
例えどんなにお悩みが複雑化していたとしても、「本当はどうしたいか」という意思の蕾はあるはずで、それを一緒に見に行く感覚で打ち合わせをしていると、提案において一番ぶらしてはいけない軸が見えてくることがあるんです。
軸を握りあったうえでどれだけ提案の幅を出せるか、尖らせられるかが「企画の質」だと思いますし、それをお客様の期待以上でご提供することが私たちの仕事、だと思うのです。
「聴く⇄伝える」の往復を心地よく!
私が考える「聴く力」。
それはこうして言葉にしてみると、「聴こうとする意識を高める」ことに帰着するのだけど、きっとここが良質なコミュニケーションのベースだと思います。
ビジネスも最終的にはヒトとヒトが織りなすものですから、「聴く⇔伝える」を心地よく往復させていきたいものですね。