言育サロン

“非日常”へ思いを巡らす〜言育サロン11月開催レポート〜

(記事:Vision Bridge事務局 白河晃子)

風の強い1日でした。どことなく落ち着かない気持ちになるのは、ざわざわと揺れる木立のせいでしょうか。
その先には、澄んだ空と強い日差しが見え、冬が近づいていることがはっきりと感じられます。

11月の言育サロンが開催されました。

今月のテーマは「“非日常”へ思いを巡らす」
 
つい先日8年ぶりにディズニーシーに訪れたという大磯さんの話からサロンの時間が始まりました。
お子さんが楽しんでいる様子を見ることができ嬉しかったそうなのですが、全般に戸惑いの方が大きかったと言います。というのも、コロナを経てパークのシステムが大きく変わっていたから。

今は全てがアプリに連動しているようで、園内のマップを見るのも、ファストパスを取るのも、スマホだそう。手のひらの小さな画面に釘付けになりながら、パークを嬉々として巡る人々には、少々違和感を感じたそうです。

素直に没頭できないのは、システムのせいなのか、歳のせいなのか・・・そんなことを思いながら、景色を引いた目で見ているうちに立ち上がってきたキーワードが「非日常」でした。

なぜ人は、折に触れて自分を「非日常」へ連れていきたくなるのか。
「非日常」を暮らしに取り込みたくなるのか。

今回のサロンはそんな問いを起点に、「非日常」について思案を深めていきました。

勇気がいる、いつもと違う、素になる、異世界、ルーティンから外れること、ルーティンを乱すもの、エスカレートするもの、別の空間別の人と新たに出会う、エネルギーを大量に使う、隔たりがある、アドレナリンが出る・・・

非日常というキーワードから、さまざまな言葉やイメージへ展開していきました。

個人的に心に残ったのは、メンバーのお一人の次の一言です。

「非日常は自分のため」

本当にその通りだと思いました。旅行にしても、ホテル滞在にしても、テーマパークにしても、そこへ訪れる目的は、自分のためであり、自分を喜ばせるためでしょう。

逆に言えば、日常は否応なしに「誰かのため」で溢れているのだと思いました。仕事もしかり、家事や子育てもしかりです。

言わずもがな、生きていくということは、誰かと関わることですから、誰かのためを重ねていくことが、大切な時間であることは間違いありません。

ただ、私たちは時々、その枠組みから大きく外れてみたくなるのかもしれないと思いました。

そのために、普段の暮らしとは全く違う場所に身を置いてみたり、ルーティンとは全く違う行動を選択してみたくなるのだとしたら。「誰かのため」をつかの間離れて、自分だけに集中する。その瞬間こそが「非日常」なのだろうと思います。
 
そして、非日常はまた日常に還元されていくのでしょう。
 
2週間後は12月。月が代わればあっという間に年末です。
良い1年の締めくくりになるよう、来月もメンバー全員、元気で集まれることを楽しみにしています。