MONOLOGUE
2022年4月4日
応援団がいるから、羽ばたける!
入学式シーズン。ぶかぶかの制服に身を包んだ子たちを目にする季節になりました。一緒にいるお父様、お母様も、とても晴れやかな表情。
それを見るだけでも、気持ちのいいものですね。
さて、今日は「親の心」について思うところがありまして、この場を借りて言葉にさせてくださいね。
というのも、少しずつ、子どもたちが、私たち夫婦の手を離れていく。離していく。そんなことを、まさに実感している今、なのです。
小2息子の小さな冒険
我が家には小学校2年生の息子がいるのですが、彼が先日あるチャレンジをしたんです。
それが何かというと、いつも通っているキッズスクールに「一人で行ってみる」という挑戦です。
子供の足で15分ほどの最寄り駅まで歩き、電車に乗って隣駅まで移動し、そこからまた10分ほど歩いて教室へ。
電車に乗り慣れていない彼にしてみるとちょっとした冒険、だと思います笑
いつも長期休みのときは私が車で送迎していましたが、昼間は仕事も入っていますし、そろそろ大丈夫かな、と思い一人で行かせることを本人に提案。
チャレンジの初日をいつにするか相談して決めて
駅までの道を確認して、
電車の乗り方を練習して、
迎えた当日!だったのですが、、、
いやぁ、いざやるとなるとお互いどこか落ち着かなくてね。
息子からも、大きな緊張と、そこに入り混じるちょっとしたワクワクが伝わってくる。
言うまでもなく私もおんなじ心境、なのだけど、こちらが「おおごと」にすると緊張が助長しそうな気もしてね。
内心ドッキドキしながらなんてことない顔を貫き、持たせるお弁当にいつもより手をかけて送り出しました。
「困ったら周りの大人に相談しなさい!
大丈夫、大丈夫、1駅なんだから!」
と言って元気よく送り出したけれど、もうね、やるせない。
やるせないですよ笑
それは、心配、ともまた違う感情でね。
うれしさであり、淋しさ、なのかな。
小さくなっていく彼の姿が見えなくなるまで、こっそりその背を目で追いました。
まっすぐ歩けばいいのに、縁石にひょこひょこ乗ってみたり、かと思ったら小走りしてみたり。それもまた、まぁ、なんというか子どもらしくてかわいくて。
彼のいく道の先には満開の桜と、澄みわたる青空が広がっていてね。
その様子を自宅の塀に隠れて見守る私。
もうね、涙がほろりと流れました。たかだが、一駅先まで、手を離しただけなのに笑
2年前、小学校に一人で歩いていくのを同じような気持ちで見送ったけれど、
それが今日は一駅先になって、
そう、こうして少しずつ少しずつ私たちの手を離れていくのだろうな、と実感しました。
毎日一緒にいると、当たり前が積み重なって見えないけれどこうして一緒にいられる時間はそう長くない。やかましく、煩雑で、最高に幸せな日々に、改めて感謝しました。
親はひとり立ちのための一番の応援団、ですからね、そのために自分ができることを改めて考えさせられたかな^^
今になってわかる母の愛
息子を見送りながら、同時に私は、岩手花巻にいる母のことを思いました。
18歳の私の手を離し東京で一人暮らしさせることを許した、そのときの心境ってどんなだったろう、
って。
上京した翌週、だったかな。
母から手紙が届いたんです。
お母さんは、まさか爵歌が
東京へ行くとは思っていませんでした。
だけど、これも子どもの決めたこと、
できることは笑って送り出すことだけ、
と言い聞かせて見送りました。
十分なことをやってあげられたかは
わからないけれど、
お母さんは応援しています。
思い切り、やりなさい。
そう、書いてあった。上京してから、何度も何度も読み返したから、もう誦じているこの手紙です。
私の母は、自分の仕事に熱い人です。
幼稚園の先生をしているんですけどね、いつも颯爽と、はつらつと、エネルギーたっぷりという感じで、仕事の話を始めると言葉が止まらない。
子どもの進学や就職で、しんみりしているのを見たことがなかったのは、きっと忙しいからなんだろう、と若い頃は思っていたんですけどね、
今になると分かる。
おそらくそれも、母の愛だったのだ、と。
私が思い切り、やれるように。
心配させないように。
そう振舞っていたのだと思います。
岩手花巻から出たことのない母が娘を東京に送り出す、その胸中が穏やかだったわけはないよね。
母って、すごいですね。
母という存在って、すごい。
今日、息子のチャレンジを通して、時を超えて母と分かち合うものが生まれたような感覚があります。
間違いなく、私が東京でやってこれたのは、岩手にいる母、そして家族のおかげです。
何があっても、どんなことがあっても、信じて応援してくれている人がいる。待っていてくれる人と場所がいる。
それがどんなに勇気と力になるかを私は知っているからこそ、子どもたちにとって、夫にとっても、自分がそういう人でありたいと思いましたし、この家をそういう場にしていきたいと改めて思いました。
そして、今だに私を心配させないよう振る舞う、太陽みたいな母に何ができるだろうって、考えましたね。
ひとまず今日、電話しよう^^
この非常にプライベートコラムに最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。
是非皆様の大切な人に想いをはせるきっかけになったらとてもうれしいです。