講演・講座

言葉を育む、現場から

街の木々も少しずつ色づき始め、そのゆるやかな変化が目を楽しませてくれる今日この頃。

皆様いかがお過ごしでしょうか?

急に寒くなり、体調崩してしまった、なんて方もいらっしゃるのではないかと少し案じております。

10月も半ばだなんて、時が経つのが最近ますます早く感じますが、これも「ご充実さま」ということかしら。

さて、久しぶりのコラムになりましたが、今日は大磯が丁寧にあたためている場「言育サロン」について言葉にします。

コラムの最後にこの場へのお誘いもご案内いたしますので、是非お付き合いくださいね。

言葉を育む、その心は? 

今年に入り、私が静かに、そして大切に整えてきた場があります。

それが、「言育サロン」

読んで字の如く「言葉で育む・自分を育む」をテーマに、月に一度のひとときを7名のメンバーの方と共にする。

この場が今、秋の深まりと共にとても心地よく熟してきています。

「言葉を育む」なんていうと、一見して言語化やライティングの方法を指南するように感じるかもしれません。ですが、このサロンにおいては、そういうことは一切扱いません。

なぜなら、

「書けるようになる」
「話せるようになる」

というのはあくまでも結果論にすぎない、と私は考えているから。

心がちゃあんと動いていて喜怒哀楽をふんだんに味わっていると、それを伝えたい衝動が生まれるから言葉が育まれる。

言育サロンで扱っているのは、まさにこの言葉の起点「心を動かす」というところなのです。

サロンは、月に一度、決められた曜日に、オンラインで開催されています。

ここで扱うテーマは毎回異なっていて、季節やそのときの感じ方にあわせて、お話しする内容をご提示させていただいています。

日々の仕事や暮らしを通して私が出会った至極のモノ・コト・ヒトや、大きな気づきにつながったエピソード、なにかひっかかりを覚えた出来事なんかをご紹介しながら、それを刺激剤に皆で内観を深めていきます。

これまで扱ったテーマをざっと並べますと、

◎一月:大人エレベーターに乗ろう
◎二月:原体験にもぐる
◎三月:ほんものとは、なにか
◎四月:道草が、みせてくれるもの
◎五月:光と影が、織りなすもの
◎六月:抽象と具象の往復運動
◎七月:自分を尊ぶ、ということ
◎八月:時間って、なんだ
◎九月:句読点を打つ

こんな感じでしょうか。

改めて並べてみると、我ながら非常に抽象度が高い!ですが、

こういうことを分かち合いたいと集まってくださる方々がいて、それぞれの感じたことが呼応し合って場が進行していく。

それがなんとも趣深いひとときなのです。

感性を反響させる、ということ

なぜこういう場をつくりたい!と思ったかというと、

他でもなく私自身が「言葉を育む」ということにもっと夢中になりたいと願ったから、なのだと思います。

この仕事をしていると、日々たくさんの言葉やアイデアの種が頭のなかに溢れていますし、暮らしや子育てを通してはっとさせられることも沢山あります。

これらは決してバラバラに存在するわけではなく、有機的につながりあっていて、

それを紡ぎ合わせてシェアすることで、ご参加くださった方に言葉を育むきっかけを手渡せたなら、こんなに嬉しいことはないと思いました。

同時に私自身もそうすることで、自身の言葉を育むことに必ずやつながっていくでしょう。

分かち合った出来事・テーマを通して、互いに感じていることが反響し合う空間を作ってみたい、と思ったのです。

ここからなにか、流れやうねりみたいなものが生まれる予感もありました。

言育サロンがみせてくれるもの

8ヶ月にわたって運営してきましたが、この場を持つようになって感じているのは、

ゴールや結果を規定しない、
いわゆる「あそび」の時間がいかに豊かなものなのか、ということです。

私の中に生まれては消えていくいくつもの思案や自己対話のなかから

「これは言育サロンのメンバーで話したら、もっと考えが膨らみそう」

というトピックスを抽出し、テーマとして仕立てていく準備の時間は、仕事であって仕事ではないような格別なひとときです。

そして、そうやって練り上げた内容を皆で分かち合っていくと、琴線にふれるところはそれぞれ異なっていて、言葉と視点が折り重なり、深まっていくのが見てとれるのです。

サロンを始めた頃は、この抽象度の高いテーマに「そうきたか!」と面食らい気味だったメンバーもいらっしゃったかもしれません。

もしかしたら「よく分からない」ということもあったかもしれない、とも思います。

そんな中で私は、その「分からない」もひっくるめて大事にしてほしい、お伝えしました。

「今は分からなくてもいつかの自分につながる引き出しをご一緒につくっている気持ちで、この場を味わっていきましょう」と。

ですが、それももしかしたら、杞憂、だったかもしれません。

回を重ねるごとに、集まってくださる方の言葉は自ずからどんどん増えていったから。

しかもその言葉ときたら、とてものびやかで、まぁるく、ご自身の中に浮かんできたその考えを、とても愛おしそうに話してくださるのです。

あぁ、心が動いて、言葉が育まれる風景って、こんなにもあたたかいものなんだ。そこで生まれる言葉は、こんなにもパワフルなものなのだ。

私は皆さんと過ごす中で、ありありと感じさせていただいています。

これからも言育サロンは、この場に時間を預けてくださる方々が、感じたことを自由に言葉にする、それに夢中になれるような場づくりをしていきたいと考えています。

月に一度、そうやって心を動かす時間を持つことによって、見える風景や日常の彩りはきっと変わり始める。

私はそう信じています。

言育サロンへのお誘い

「言育サロンが気になる」
「ちょっと覗いてみたい」
「大磯と話してみたい」

そうおっしゃってくださる方々が気軽にご参加いただける場を、今後整えていきたいと考えています。

ご興味をお持ちの方は、ご用意が整い次第ご案内いたしますので、是非以下の先行案内にご登録の上、ご案内をお待ちくださいませ。

年末に向けて言育サロンを起点とした楽しい企画も考えていますので、どうぞご期待くださいね。

>>「言育サロン」先行案内登録はこちらより!