MONOLOGUE

「人生フルーツ」上映会のご案内

※ こちらの記事に掲載している画像は映画「人生フルーツ」に登場する映像の一部です。
※画像の著作権はすべて東海テレビ放送に帰属します。

※ 本上映会は定員に達しました。ただ今キャンセル待ちを受け付けております。


大きく心震わされ、見終わった後に座席から立ち上がることができない。昨年はそういった作品に出会うことがいつも以上に多かったように思います。

あぁ、この感動を大切な人と分かち合いたい。
あの人なら、どんな感想を抱くのだろう。

なんて、近しい方のお顔がが浮かんでくる。それはとても幸せなこと。

さて今日は、そんな至極の作品の中から一本の映画をご紹介させてください。

「人生フルーツ」

この物語は、建築家のご夫妻(津端修一さん90歳、英子さん87歳)の日常を描いたドキュメンタリーです。

【 あらすじ 】

愛知県春日井市の高蔵寺ニュータウンの一隅。雑木林に囲まれた一軒の平屋。それは建築家の津端修一さんが、師であるアントニン・レーモンドの自邸に倣って建てた家。四季折々、キッチンガーデンを彩る70種の野菜と50種の果実が、妻・英子さんの手で美味しいごちそうに変わります。刺繍や編み物から機織りまで、何でもこなす英子さん。

ふたりは、たがいの名を「さん付け」で呼び合います。長年連れ添った夫婦の暮らしは、細やかな気遣いと工夫に満ちていました。そう、「家は、暮らしの宝石箱でなくてはいけない」とは、モダニズムの巨匠ル・コルビュジエの言葉です。

かつて日本住宅公団のエースだった修一さんは、阿佐ヶ谷住宅や多摩平団地などの都市計画に携わってきました。1960年代、風の通り道となる雑木林を残し、自然との共生を目指したニュータウンを計画。けれど、経済優先の時代はそれを許さず、完成したのは理想とはほど遠い無機質な大規模団地。

修一さんは、それまでの仕事から距離を置き、自ら手がけたニュータウンに土地を買い、家を建て、雑木林を育てはじめました。あれから50年、ふたりはコツコツ、ゆっくりと時をためてきました。

人生フルーツオフィシャルサイト

東海テレビのドキュメンタリー制作チームによって作られたこちらの作品は、津端夫妻の日常が丁寧に描かれています。

お二人の了解をいただくまでに何度もお手紙を書き、ようやく制作にこぎつけ、撮影には2年を要したものなのだとか。「お二人の暮らしぶりや生き様は、今の時代を生きる人にの大きなヒントになるはずだ」と確信し、心ある取材がされているのが伝わってきます。

「日常」を撮るために、大切なのは信頼関係。カメラが入っていても日々の暮らしが流れていくような気遣いが作品の中に垣間見えますから、きっと想像以上に繊細な撮影だったことでしょう。


作品中、象徴的に繰り返されるフレーズがあります。

風が吹けば、枯葉が落ちる。
枯葉が落ちれば、土が肥える。
土が越えれば、果実が実る。

こつこつ、ゆっくり。
人生フルーツ。

樹木希林さんのナレーションで繰り返されるこの言葉は、見る人の心の中にぽたりぽたりとしみ渡っていきます。そしてある一つの問いへと誘われていくのです。

「本当に、大切なものはなんですか」

映画を見終わった直後の余韻を、私は今でも忘れられません。津端夫妻の日常を淡々と描き切った作品を通して、「生と死」「残しつなげていくもの」「時間というものの概念」を考えずにはいられず、それらは簡単に言葉になるものではありませんでした。

その後も折に触れて頭の中で、津端夫妻の言葉がリフレインされるようになりました。暮らしのみならず仕事の局面でも、ふいにお二人の姿がよぎるのです。希林さんのナレーションが、今も耳元で響くよう。

あぁ、この作品に出会えてよかった。
この感動を大切な人と分かち合えたら、どんなにいいだろう。感じたことを言葉にし合うことで、もっと味わい尽くしたい。

そんな想いは、日増しに強くなっていきました。

「よし、上映会をやろう!」

この度、有志の方々にお力をお借りしながら、「人生フルーツ」の上映会をすることにいたしました。

鑑賞のきっかけをくださった 新田真由子 さん。
そして、一緒に劇場に足を運んだ 白河晃子 さん。

お2人とともに、場を整えさせていただきました。

2017年に封切りされた作品なので、今はほとんど上映されていません。ご興味をお持ちいただいた方はこの機会に、是非ご一緒に鑑賞いたしましょう。

2023年2月4日の立春の良き日に。美味しいお茶とお菓子をご用意して、皆様のお越しをお待ちいたしております。映画の最後には映画をテーマにした簡単なワークショップも開催させていただく予定です。

お目にかかれますことを楽しみにいたしております。

大磯 爵歌(Vision Bridge inc.)

人生フルーツ上映会 詳細 及び お申し込み


立春のよき日に、東京・南青山にありますスタジオにて、人生フルーツの映画鑑賞、及びワークショップを行います。どなたでもご参加いただけます。

お申し込みは後述のフォームよりどうぞ。

【日時】
2023年2月4日(土)
13:00〜16:00(開場12:50)

【場所】
東京・南青山
※ 最寄駅:外苑前駅(東京メトロ銀座線)
※ 詳細はお申し込みくださった方にお知らせいたします。

【定員】
14名 → 2名増席 → 2名増席

※ 本上映会は定員に達しました。ただ今キャンセル待ちを受け付けております。


【参加費】
9,000円(税込)
※ お支払いは事前銀行振り込みでお願いいたします。
※ 上映会・ワークショップへのご参加

【スペシャル】
ご参加者全員に上映会にちなんだお土産をご用意します。
是非お楽しみに。

【お申し込み期限】
2023年1月23日(月)まで

【キャンセルポリシー】
恐れ入りますが1/28以降のキャンセルは参加費の100%を手数料として申し受けます。

【お申し込み】

本上映会は定員に達したため、お申込みを締め切らせていただきました。
ただいま【キャンセル待ち】を受付けております。

お席が用意できましたらご連絡申し上げますので、ご希望の方は、以下のフォームよりご登録ください。


【お問い合わせ先】
人生フルーツ上映会事務局
jinseifruits.vb@gmail.com

【主催】
株式会社ビジョンブリッジ

【有志メンバーのメッセージ】

暮らしをいとおしむ
(Sincere PR / 新田真由子)

以前、NHKの「きょうの料理」に出演しているのを見て以来、理想の生き方、理想の夫婦として、ことあるごとに周囲の人に語ってきたのがこのドキュメンタリー映画に登場する津端夫妻でした。

2人の暮らしはあまりに美しく、まるで宝石のように一つひとつがキラキラと輝きながらも、

何を選ぶのか
何をのこすのか
何が大切なのか
豊かさとは何か
しあわせとは何か・・

「どう生きたいのか」を強く問いかけてきます。

でも、憧れてやまない2人の暮らしは、どこか遠くにあるものではなく、なんだか懐かしさも感じるのです。

それは、必要以上に何かを求めず、抗わず、毎日土と向き合いながらコツコツと生きてきた亡き祖母の姿だったり、父が子どもの頃に話してくれたことだったり、なんてことのないふるさとで過ごした時間や風景だったり、様々な時代を生き抜いてきた人々の姿だったり・・、そうした記憶のそこかしこにあふれていて。

そして、2人の生き方は、私の中にあるとても大切なものを「それでいいんだよ」と背中を押してくれているような気がしました。

このドキュメンタリー映画は、自然を敬い、自然に委ね、その中で「今」を慈しみながら淡々と日常を積み重ねていくことの美しさ。それがどれほど尊いことなのかを2人のあたたかな暮らしを通して静かに語りかけてくれます。

「上映会をしたいんだ」

長年、大切にあたためてきたその想いを爵歌さんに話したのは、2022年10月のこと。そこから、短期間でこのような素敵な場へとつなげてくださったことに感謝です。

私が最後に映像を見たのは2017年。

また久しぶりに津端夫妻に会えること。そして、そのとき、を皆さんとご一緒できることが、今から楽しみです。

Sincere PR
新田真由子

何もない毎日が
どれだけ豊かで特別なものかを諭されました
(株式会社おともや / 白河晃子)

流れるときを追いかけるような慌ただしい日々の中にあって、映画「人生フルーツ」が投げかけてくるメッセージはとても強烈でした。
ときとは何か。ときをためる、とはどういうことか。ときを触媒に私は何を残していくことができるのか。
この映画に出会って以来、そんなことをずっと考えています。

映画で描写される津端夫妻の暮らしには、特別なことは何も起きません。でも食卓を中心に繰り広げられるお二人の暮らしには、私たちが切り捨てた、あるいは、諦めざるを得なかった大切な何かが詰まっている。そう思いました。

ご自宅のお庭で収穫される何十種類の野菜や果物は瑞々しく彩り豊か。その土壌は40年以上かけてゆっくりゆっくり育んでこられたそうです。収穫された食材は妻・英子さんの魔法の手で美味しい料理に変わっていきます。それを夫・修一さんは嬉しそうに頬張る。そんなお二人の姿に、何もない毎日がどれだけ豊かで特別なものかを静かに諭されました。

自分たちの手が届く範囲で、できることをコツコツと。欲張らず、結果を急がず、自然のままに委ねる。頭では分かっていても、それを実践するのは決して簡単なことではありません。だからこそお二人の生き様に敬意と憧れを抱かずにはいられませんでした。

人生はどんどん美しくなる。

お二人が辿り着いたその境地には、私たちがこれからの時代を豊かに生きていくためのヒントが溢れているように思われてなりません。

株式会社おともや
白河晃子