言育サロン

「かなぁ」という⽣き⽅ 〜言育サロン3月開催レポート〜

(記事:Vision Bridge事務局 白河晃子)

 
東京は数日前に桜が開花しました。いよいよ春本番を実感します。

Vision Bridge が主催する言育サロンも2023年の新しいメンバーを迎え、今月より2年目に入りました。

3月のテーマは「かなぁ」という生き方

着想を得たのは、都内で開催された個展です。

そこには、和紙作家・森田千晶さんがつくった作品が並べられていました。

2月に会場を訪れた大磯さんはその世界に一気に引き込まれたと言います。

その時に見えたものや感じたことを一つ一つ丁寧に共有しながら、サロンの時間は展開していきました。

中でも会場で流れていた映像に登場する和紙保存会の“おばあちゃま”の言葉が強く印象に残ったようです。

「今日はどこがいけなかったのかなぁ」

「もう1回、よく掻き回した方がよかったのかなぁ」

「その度、かなぁ、かなぁが多いです」

「嬉しいかなぁ、楽しいかなぁ、楽しみかなぁ」

しなやかでありながら芯を感じさせるその優しい声は、何かを探求し続けることの面白さを教えてくれます。

と同時に、早く結果を出すことを求め、そこに至る道中の楽しみを忘れた世の中へ、一石を投じる言葉のようにも思えました。

こうかなぁ、ああかなぁ。これから探求してみたいことは?

後半は、内側に思いを巡らせる時間となりました。

これまでの人生で 「はまっていたこと」「夢中になっていたこと」はなんでしょう。

今、探求してみたいことはなんでしょう。

面白いエピソードや、これからが楽しみになるようなアイデアがたくさん出てきました。

とはいえ、大人になると好きなことばかりやっていられません。

それぞれ求められる役割があり、仕事や日々の生活では効率よく片付けていくべきことも多いです。

でも、だからこそ、

「こうかなぁ、あぁかなぁ」

と、細々とでも探求し続けられるものがあるというのは、最高の贅沢かもしれないと思いました。

その道のりで生まれる小さな喜びこそ、おばあちゃまのようなしなやかな芯の強さを育んでくれるに違いありません。

最後に・・・

和紙作家 森田千晶さんやおばあちゃまがどんな人なのかと興味を持った方は、是非こちらのドキュメンタリー映像をご覧ください。

「紙宮」和紙作家 森田千晶 和紙制作風景

和紙が作られる行程だけでなく、手の温もり、水や道具の音、自然に寄り添った時間の流れが、全身に響いてくると思います。

おばあちゃまの言葉も沁みいります。

次回の言育サロンは4月。

今年は開花が早いので、次回の言育サロンの時期は葉桜になっているかもしれません。

まだしばらく朝夜寒い日が続きますし、風邪や花粉症も流行っているようです。

あまり詰め込みすぎないようにゆったりと過ごしたいものです。

サロンの皆さま、また次月お目にかかれますこと楽しみにしております。

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