MONOLOGUE

街歩きからの、思案。

企画業における、「街を見る」大切さ

生身の街を感じたくなり、久しぶりに都内へ。

人と会う予定があったわけではないし、何か物理的な用事があったわけでもない。だけど、なんとなく、今日出かけよう!ってピンときて表参道から渋谷をふらりとしてきました。

企画に携わる者として、私がすごく大事にしてるのが、この「街を見る」ってことなんです。

スマホから顔を上げて、街ゆく人の表情を見る。

どんなものを身につけて、
どんな足取りで、
どんなふうに暮らしているのか。

といったことに感覚を開いて、自分の身体で味わっていく。毛穴から情報を入れていく感じ。

抽象的、かつマニアックすぎますね笑

街を見る時間ってすごく大事で、この部分のこれが今すぐ何かの企画に直結する、ってわけじゃなくとも、必ずどこかでその引き出しが必要とされる瞬間ってくるんです。

特に、私の仕事は、さまざまな業種・業態のお客様に企画提案をさせていただくので、

お客様のお客様、いわゆる「世間」「生活者」のリアルを肌で感じることって、企画のピントをずらさないためにも必要な時間、だと思っています。

若かりし頃、新卒に毛が生えたくらいの頃かな。会社の自席で社内販売のお弁当を食べてたら、企画の師匠からこんなことを言われました。

「モノをつくる奴が、席でちまちま弁当なんて食べるな!街に出るのを惜しむな。外に出て、繁盛してる店がなぜ繁盛しているのか、そこでどんなものが提供されてるのか、集まった人はどんな顔しているのか、ちゃんと見てこいっ!!」

これね、そのときはキョトンだったし、この人なんてストイックなんだ!!って思ったけど、今ならわかるそれが「生きた企画」を作るのに、どれだけ大事なことかって。

目先のノウハウやテクニックじゃない、時を経ても残る学びを手渡してくれた師匠に感謝しかありません。

さて、そんなこんなで、今日は街歩きへ。表参道エリアに行ったのは2ヶ月ぶりくらいだったのですが、結構お店が入れ替わっていましたね。

やはりコロナの影響なのか、以前とは売り方が変わっているお店も結構ありました。
その中で、私のアンテナにひっかかったことをシェアさせていただきますね。

なんとなく「流行っている」の落とし穴

まずね、退店していたお店について。

今年の春にOPENした表参道の一頭地にあるカフェレストランなんですけどね。白くて、綺麗なショーケースに美しいデリやフルーツが並ぶ、いわゆる「映える」感じ。

テーマがね、「サスティナブル」「SDGs」がコンセプトのどまんなかで、メニューにもいろいろとうんちくが書かれているようなお店、、、OPEN直後に行って食事をしたんですけどね、なんというか、居心地があんまり良くなかったんです。

何か嫌な対応をされたとか、味が著しくイマイチだったとか、そういうことじゃないんです。でも、うーん、もう行かないよね、って感じ。

綺麗だしね、写真を撮るにはいいのかもしれない。なんとなく流行りの場所っぽい場所に行ったような感覚は味わえるのかもしれない。そういうニーズは満たすのかもしれないけど、、、

なんと言うのかな、流行を真正面から凝縮しただけ、と言ったら失礼だけど、、、ペラッペラに見えたんですよね。

左脳すぎるアプローチで、食との相性も悪かったのかもしれない。なんとも言えない残念な店だなぁ、と思いながら帰ってきたんですけどね、

今日、目の前を通ったら、小綺麗な回転寿司屋さんに変わっていました。もちろん、こういう世の中で飲食店を経営する大変さは私には計り知れないけれど、、、

本当に短かったなぁ、何が違ったんだろうなぁ、なんてね。余計なことながら、改めて想いを巡らしてしまいました。

コンセプトを考えるときにね、流行しているものに着想を得たり、顧客の嗜好や競合の動きから逆算して考える視点って、マーケティング的には必要だと思うんです。

特に実業になってくると、関わる人も、そこにかける予算も多額なものになりますから、当然のことだと思うんです。

でもね、前述のお店がそうであったかはわからないけれど、そこにだけ傾斜して、

◎儲かりそうなもの
◎受け入れられそうなもの

って考えすぎると、非常に中庸なもの、もしくは頭でっかちなものしか、できあがらないような気がして。

それって誰かの心に留まるようなインパクトは出しにくいし、仮に一見さんが興味本位で覗きに来てくださったとしても、定着していかないように思うんですよね。

市場や顧客の動向は抑えつつも、

「心から提供したいもの」
「それによって生まれる社会的価値」

を追求するって大事だよな。

そこに主義主張という熱量がないと残っていくのは厳しいだろうな、なんて思いました。

というか、主義主張がないと、事業主さん側にも行動するに足るエネルギーが湧かないはずだから、うまくいかないのは必然だよな、とも思う。

あとはね、サスティナブルとか、SDGsとか、そういう類の扱いって、すごく難しいな、とも思うんです。なんちゃってっぽいのって、すぐわかりますよね笑

真正面切って主張しすぎるのではなく当たり前に抑えている、そんな佇まいがいいよな。なんて、これは私の好みかな笑

コンセプトづくりに、欠かせないもの

今日ここに書いたことは、自分への戒めでもありますね。

私自身もペラッペラのスクラップ&ビルドじゃなくて、気骨と人肌感を感じる長く愛されるビジネスにVISION BRIDGEを育てていくために。

主義主張、それがお役に立てるところを、甘んじることなく追求していきたいし、今ご一緒しているお客様にも、未来のお客様にも、そういう姿をお見せし続けられるよう精進していこうと改めて思いました。

ということで。
街歩きからの思案をそのまま言葉にしてみました。

こんな感じでね、感覚と思考を動かしていく街歩き。皆様の企ての参考になればと思います。