MONOLOGUE

月刊誌「STORY」の取材を経て

久々に、自分のキャリアについて、顧みるきっかけをいただきました。

光文社の女性ファッション誌『STORY』9月号の企画「幸せ基準は十人十色。40代からのキャリア白書」で取材をいただく機会に恵まれたのです。

先日掲載誌が手元に届き、華やかな誌面に紛れ込んだ自分をしばらく咀嚼できずにいたのですが、いち早く記事を見てくださった方からあたたかいお声も届くように。

今回のコラムでは、取材を通して感じたこと、その舞台裏について、私の言葉で綴ってみたいと思います。


取材のきっかけは?

ことの始まりは、2ヶ月ほど前のことでしょうか。

以前より私の活動を目にしてくださっていた方から、ご連絡をいただいたのです。節目節目で応援のメッセージをお寄せくださっていた彼女からの久しぶりのメールでした。

「実は今、女性ファッション誌『STORY』のライターをしていまして、今回編集部で立ち上がった企画の取材対象者として爵歌さんがぴったりだと思うので、推薦させてもらってもいいですか?」

聞けば、アラフォー女性のキャリアに関する企画ということで、さまざまな働き方をしている女性を取材しその本音に迫ろうという内容なのだとか。「キャリア十人十色」って企画なんですけど、どうでしょう?と。

正直なところ私は「キャリアについて切り出して語る」というのに、少し悩みました。

以前は、パラレルキャリア→独立→法人化という流れの中でやってきたことを積極的にお話しし、それが必要な方のお役に立てるなら、と思っていたこともあるのですけどね。

いつからか、働き方も生き方も、今の形は「私が自分にとって最適なもの」を選んでいる結果でしかないから、それを声高に言葉にするのもなぁ、と感じるようになっていたのです。

だけどそれが私のキャリア感だとしたら、そのまま話してみたらいいのかもしれない。「十人十色」という企画コンセプトだとしたら、私が感じていることと合致するかもしれない。

そう考え、お話を進めていただくことにしました。

いつも応援してくださっている彼女がお繋ぎくださるご縁であるならなおのこと。何かお役に立てるところがあるのかもしれない。そんな直感もありました。

「伝える」という仕事の裏側

取材は2回にわたって行われました。編集部の方々とライターさんと向き合ってお話しさせていただくなかで、今回の企画に対する熱量を私は感じずにはいられませんでした。

◎なぜ、会社員という安定の道を手放して、独立・起業に踏み切ったのか?
◎独立の道を選んで今、何を思っているのか。
◎子育てとの両立が、メインの理由だったのか?家族はどうみているのか?

とにかくさまざまな角度から、時にお答えする私の方がはっとさせられるような切り込んだ問いを投げかけてくださる。

それも読者にとって必要な情報、聞きたい情報を綺麗ごとではなく表現したい、というお気持ちの表れのように感じて、その姿勢に情報を届けるプロとしての心意気を感じました。

「キャリア十人十色」ですから、取材対象者に偏りがあっては企画にならないわけですよね。会社員として活躍されている方、独立・起業を選んだ方、そしてパラレルキャリアの方、そして業種・職種においても幅を見せていかねばならない企画。

それも含めて熟考されチーム一丸となり総力取材にあたられているご様子に、私は感動しました。伝える、ということに意志がある方々のお仕事は、本当に気持ちが良いものです。

取材した人数は、企画が立ち上がる前の下取材も合わせると30人を超えるかもしれない、なんてライターさんは笑っていらっしゃいました。

アラフォー世代が「働く」ということに何をみて、どう動いていているのか。

それを取材した女性たちの姿を通して立体的に立ち上げられていく特集記事に私も大きな感銘を受けましたし、ひとりの企画者としてとても大きな学びになりました。


独立・開業という道を選んだ私が思うこと

今回の取材を通して、自分の歩みを棚卸してみて感じたこと。

それは、私は独立・開業の道を選びましたが、それは私にとってゴキゲンで生きていく道がたまたまそこだった、ということです。

子育てとの両立に悩んでこの道を選んだわけでもなければ、お世話になっていた会社に大きな不満があったわけでもない。

だけど並行で進めていた「Vision Bridge」という活動体にはなにか可能性を感じていて、想いある人たちと共にそこでものをつくる・生み出すということにもっと時間を使ってみたかった。

そんなすごくシンプルな理由で、今この道を選んでいるのだと思います。

育児休暇復帰直後は特に、理想の働き方をしている人、いわゆる「ロールモデル」みたいなものを探したこともありましたが、結局のところそれは幻想にすぎないのですよね。

誰かにとっての幸せを、自分にトレースすることなんてできない。

その都度、自分がどの環境にいることが幸せでゴキゲンでいられるのか、その心にまっすぐ生きていくことを続けていく、その繰り返しなのだよな、と今は思っています。

私もこの先また自分の感じ方に合わせて働き方は変えていくと思いますし、それを恐れない自分でいたいな、と仕上がった記事を拝見して思いました。

そう思えるのも、私の選択を見守ってくれている家族をはじめ、関わってくださる方々の支えあってのこと。改めてこの環境とご縁に感謝し、日々に尽くしていきたいと思います。

※大磯の歩みは以下の記事「 私の物語 -Life & Career 」にまとめています。