講演・講座
2021年5月21日
「下積み時代」を、紡ぎなおす!
経験をひもとく、ということ
先日、開催中の講座、「言葉で育む、ブランディング講座」の2回目の講義がありました。
2ヶ月間にわたって開講している講座もいよいよ折り返し地点です。
講義やグルコンを通して、受講くださる方々の「言葉」を見出し、それをコンセプトに紡ぐ方法をお手渡ししているのですが、その中で受講生のお一人がおっしゃったある言葉が私の心に留まりました。
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よく考えたら私、下積み時代が長くて。
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外資系企業で経理部門の管理職をなさっているそのお方。印象とキャリアを考えたときに、「下積み」という言葉にいい意味でギャップを感じたんです。
ゼロから会計士の勉強をして、国際会計士の資格やMBAもとって、キャリアアップ転職を複数回なさっている。
そのご経歴は本当に華々しくて、そこに目が行ってしまいがちなのですが、いろいろお聞きしていくと、そのキャリアという「事実」に至るまでに、さまざまな経験をなさっているんです。
その中で培ってこられたこと、例えば、
◎転職した先で、部下や上司とのコミュニケーションの取り方。
◎女性管理職としての自分の活かし方、役割の見出し方。
◎海外折衝を首尾よく進める調整力。
これらのソフトスキルって誰が教えてくれるものでもなく、日々の仕事の中での積み重ねから成功法則を掴んでこられたと思うのです。
転職直後って上司や会社から期待されていることをひしひしと感じるからこそ、気軽に聞きたいことを聞けなかったり、素直に相談しにくかったり、そういうことってきっとある。
その中で道をつくるって、どんなコツや心がけがあるんだろう、と、彼女オリジナルのそれを、聴きたくなりました。
今のキャリアは、「チャレンジしたい!」という気持ちに素直に取り組んできた結果だから、と笑っていらしたけれど、
その経験はご本人はもとより、同じような道を目指している人にとっても、宝物なのだと私は思うのです。
同時に、こうも思いました。
どんなに華々しい今がある人、活躍されている人にも、下積みの時代、ってあるんだよな、と。というよりも、ある程度年齢を重ねた大人なら誰しも、何かしらの「下積み」ってあるはず、なんですよね。
私だってそう。
ブランドを扱うという仕事を全く分かっていなかったころ。
お得意先様から至らぬ点を指摘されて学んだこと、大御所クリエイターに意識の薄さを叱責されて泣いたこと、もちろん、カタチにできた喜びをチームで分かち合ったことも。
そういう経験も全部全部。今につながっているなぁと思います。
そして、その経験が、こうしてコラムを書いたり、講座をしたりするときも。直接的ではなくても、その土台に息づいているんですよね。
経験したことしか、コンテンツにならない。とかよく言いますが、まさに!とハラオチしたのでした。
そして、そういう視点から見ると、こうして生きている今この時も。未来の自分から見たら下積み時代なのかもしれないなぁ、なんて思うとね、
今この時からつながる未来にもっとワクワクできるようになるから、不思議なもの、ですよね。
「言葉で育む、ブランディング講座」にお越しくださっている皆さんのお話をお聴きしていて、それぞれが、それぞれの、愛すべき「下積み時代」があると、私は感じています。
それをひもとき、紡ぎなおして、次への道へとつながっていくよう。
あと1ヶ月、精一杯ご一緒に走らせていただきます!!